不安障害

不安症状とベンゾジアゼピン系薬剤の功罪

不安障害を経験した者なら誰しもわかると思うが、ベンゾジアゼピン系薬剤は確かに即効性があり、飲み始めの副作用もなく(あるとしたら眠気ぐらい)、使っていると実際に楽になるから「依存」「耐性」を生じてしまう。さらに薬を止めたいと思ったときに「離脱症状」を起こすことがあるから、とても厄介な薬だと思う。

ベンゾジアゼピン系薬剤はGABA受容体を抑制することで、神経をだましているに過ぎないことを理解すべきである。すなわち、ストレスや不安に対応する術やライフスタイルを自分自身に確立できない限り不安障害は完治もしくは改善しないということに気づくべきである。(かく言う私も実際にできているわけではないが)

不安やストレスに対する術がクスリを飲むことであれば、クスリを飲み続けなければならないし、不安やストレスを回避することが症状の軽減・改善につながるのであれば、そのようにするべきである(仕事を辞めたり、生活を見直したりなど)。そして、クスリを飲むことや不安やストレスを回避することができないのであれば、それに合わせたライフスタイルを確立するしかない。(ただし患者の多くは、だれしもそれまで続けてきた仕事や生活を変えることができればいいが、実際はそうではないことがほとんどである。)

不安やストレスに対して対応策や回避策を自分の中にたくさんもつとか考え方を変えるなどできれば不安障害はよくなるのだろう。しかし、これまで築いてきた性格やライフスタイルはそう簡単に変更がきくのもではないし、特に不安症状にとらわれているときにこのような考え方は出てこないだろうということは想像に難くない。

それ故に、不安障害は治りにくいし、ベンゾジアゼピン系薬剤に苦しめられるのである。

ベンゾジアゼピン系薬剤についてはまた別の記事で紹介したいと思います。

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