今回は、草薙龍瞬著 反応しない練習から、「人生における苦しみ」についてまとめてみたいと思います。
本著は人間が感じる人生における悩みについて、仏教ではどのように解決していくのか、その方法がわかりやすく平易な言葉でまとめられており、オススメの一冊です。
まず、我々人間が生涯で体験する悩みは「八つの苦しみ」に分類できるとされます。
その「八つの苦しみ」とは
ココがポイント
生きること
老いること
病にかかること
死ぬこと
厭わしい者と出会うこと
愛する人と別れなければならないこと
求めるものを得られないこと
ままならない人間の心
であるとされています。
それに対して、ブッダは悩み・解決の手順を、次の4つにシンプルにまとめています。
ポイント
生きることは苦しみが伴う
苦しみには原因がある
苦しみは取り除くことができる
苦しみを取り除く方法がある
これを仏教の世界では「四つの真理」(四聖諦)とよんでいます。
悩みがあるという現実を見据えて、その原因を理解して、解決への方法を実践しようという、極めてシンプルな思考法です。
苦しみの原因は「執着」(心の反応)にあると言えます。まずはこのことを理解することからはじめます。
例えば、「何かを考える」「腹を立てる」「焦ってしまう」「不安になる」これらはすべて心の反応です。
いくら「強く」なっても、「ままならない現実」はいつもそばにあり続けます。「闘って勝ち続ける」ことは人生ではほとんどありません。
「ムダな反応をしないこと」
これこそが苦しみから解放される術であることを著者は述べています。
人生に苦しみをもたらしているのは上記の8つの苦しみですが、その原因は快(喜び)を求めてやまない「求める心」にあるとされます。
人間の7つの欲
生存欲(生きたい)
睡眠欲(眠りたい)
食欲(食べたい)
性欲(交わりたい)
怠惰欲(怠けたい)
感楽欲(感覚的な快楽を味わいたい)
承認欲(認められたい)
求める心がある→7つの欲望を生み出す→その欲求に突き動かされて人は反応する→時には欲求は満たされるが、多くは欲求がかなわない不満が生じる、これを繰り返すことを「渇愛」といいます。
それでは、これらの満たされない心とどう折り合うといいのでしょうか?
「心はそもそもそういうものだ」「人生とはそういうものだ」と理解しておくことがまず必要だとブッダは教えてくれています。
いかがだったでしょうか?
言っていることはわかるけど、具体的にはどうしたらよいのかとツッコミを入れたくなる方も多いとおもいます。
それについては、また別の記事でまとめていきたいと思います。